小学校2年生の時、学校図書館で借りて読んだ本で、「戦争」というものを知るきっかけになった本だ。
正確には、「戦争の結果」を知った。
戦争の結果「わたしたちに何が起こるのか」ということを、小学校2年生なりに理解した。
昔、あったこと、「戦争」について知りたいと思ったのはこの本に出会った時だった。
その時から、今に至るまで、私は戦争について書かれた本を読み続けている。
こどもは、何の責任もないのに殺され、家族や生活を奪われ、怪我をし、飢え渇く。
今も、世界は戦争の話で溢れている。
国と国の戦争、国内の内戦、国際紛争……。
なぜ戦争に至ったのか、戦争中に何が起こり、誰がどんな体験をしたのか。
それは再び起こり得るのか。防ぐことはできないのか。
知りたいことは山ほどあって、さまざまな人の方の本を少しずつ読み、話を聞きながら、
できるだけ過去にあったことの「事実」を知り、「真実」を自分なりに組み立てていきたい。
第二次世界大戦のあと、憲法第9条によって戦争を放棄した日本に生まれ、
「日本は戦争をしない国」だと信じてきたけれど、
今、それが変わるのではないかという危機感を抱かざるを得ない状況にある。
初めて読んでから約30年。図書館で借りて読んだ『えっちゃんのせんそう』を買って、
読み返した。何度でも読み返そうと思う。読むたびに「戦争はしてはいけないのだ」と思うから。